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元失業者の現在労働者 健康で文化的な最低限度の生活をめざす劣等社会人のブログ 世の中厳しいですが、がんばりましょう 大衆演劇と競輪初心者です
纏いものは、悲劇となる芝居が多い
果たして新川劇団の、め組の長次は、どうだったのか

第二部 芸題 め組の長次

<あらすじ>
め組の頭が急死し、後継ぎである息子の長次(新川博也座長)は男を磨く旅で長期の不在のため、小頭の留吉(新川笑也座長)が一家をあずかっていた
ある日、い組の頭(新川博之責任者リーダー)がやってきて、
やい留、おめえが一家をあずかってるのなら、め組の頭に貸した50両をけえしてもらいてえ
と言う
そんなことはないはずですが、と留吉は答えるが、証文を見せられた
留吉は目が不自由なので、妻のおせん(新川博也座長二役)に証文を読ませたところ、
め組の頭の証文に間違いないけど、筆跡を似せて書いてある、という
なんだと、といきり立つ、い組一家
全てを悟った留吉は唇を噛み、おせんを制して、
い組のお頭、うちの亡くなった頭が借りた金ならわっしが返しますが、しばらく待っておくんなさい
い組の頭は、待つのなら借金のカタをもらうぞ、と火消にとって命より大切な纏を奪っていった
なんとかせねば、と留は妹のおたけ(峰そのえ)に先杖を引かせ、表に金を借りに行くがあてはない
留吉が留守の間に、妻おせんの姉(明石たけ代)が訪れる
事情を知った姉のアドバイスで、おせんは苦界に身を沈め50両の金を作ることを決意する
留吉が帰宅すると、おせんは、
おまえさんには愛想が付きた、と心にもないことを口にし離縁を迫る・・・

<感想>
一幕三場になるのだと思う、1時間10分ほどの芝居だった
これは、ええ芝居やったねえ
舞台の幕があいて、博之リーダーの台詞から始まり、冒頭からピーンと張り詰めた緊張感があり、
目を見開いたまま盲の留吉を演ずる笑也座長
妻役の女形と長次の立ちの二役を演じ分けた博也座長
それぞれの演技が実に良かったが、さらにこの芝居を引き立てたのは脇を固めて娘役を演じた峰そのえ、この女優さんが良かったのだ
まあ、年齢的に自分の息子である笑也座長の妹を演じるのは、不自然
他劇団でありがちなのは、この不自然さを笑いに転嫁するパターンだが、新川劇団峰そのえの場合は異なる
どこからあんな甲高い声が出るのだろう、と驚くほどに声音を変えて、娘役を演じた
年齢的な不自然さを、芸の力で克服し、涙を誘ったは見事
うーむ、いつも峰そのえの演技には感心するが、実に幅広い役を確実に演じている
世の中には凄い女優がいるものだなあ、と本当に感心した
次に、立ち回りについてだが、悪役のい組の面々の武器に特徴があった
鳶口というのだと思うが、長い棒の先に直角に折れた金具(引っ掛け金具のような)がついた消防道具で長次と戦った
纏ものは何作か観ているが、鳶口を使った立ち回りは、初めて拝見したと思う
新川劇団の、芝居へのこだわりがうかがえる
これはかなり良い芝居だったねえ S級2

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芝居終演後の口上挨拶 新川博也座長
今後の芝居の紹介、劇団グッズ紹介、前売り券販売など

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これは余談であり強いて言えばなのだけど、新川劇団の立ち回りの鳶口へのこだわりからか、逆に纏が貧層に見えてしまった
劇場に常備してあるのか、劇団が持って歩いてるのかは分からないが、良く見かける小ぶりな芝居の小道具としての纏
決して文句ではないのだが、鳶口へのこだわりがあるので、相対的にいつも見かける小道具の纏が貧層に見えてしまう
一昨年松劇で公演した鳳凰座に客演してた剣一兵が、松劇ふれあい公演のショウの個人舞踊に纏を使った演目があったのだが、巨大な纏をブンブン振りまわし、実に迫力があったのが思い出される

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こちらがその時の画像だが、芝居の小道具としての纏に比べれば大きいし、回すと凄い迫力があったのだ
剣一兵が自分で持ってきたものなのか、鳳凰座が所有してるのかどうかも分からないが、あのくらいの迫力のある纏なら、今回の芝居の中で火消が命より大切にしてる纏というのが、見た目で表現できていいのになあ、と思った
まあ、毎日芝居の替わる大衆演劇の大道具小道具に、そこまで求めるのは酷であり、観客であるわっしの我がままにござんすがねえ

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