元失業者の現在労働者 健康で文化的な最低限度の生活をめざす劣等社会人のブログ 世の中厳しいですが、がんばりましょう 大衆演劇と競輪初心者です

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2幕5景、休憩5分挟んでの2時間の熱演、かなり良い芝居だった

第二部 特別狂言 浪花名物男 喧嘩屋五郎兵衛

<あらすじ>
喧嘩屋五郎兵衛(心座長)は、子分二百人を抱える一家を、一代で築きあげた大親分
大立者の五郎兵衛だが、一つ大きな悩みがあった、それは顔の醜いアザ、ゆえに女とは縁がなく諦めていた
ある日、喧嘩屋五郎兵衛が一家の者と桜見物していると、乱暴者に絡まれて困ってる娘(かな)がいた
喧嘩屋五郎兵衛と一家の者が、乱暴者を懲らしめ、娘さんを助けその場は収まった
後日、喧嘩屋一家に八百屋の藤助(新吾責任者)が訪れる
親分さん、私は呉服問屋扇屋の遣いで参りました
これは扇屋のお嬢さんを助けていただいたお礼です、と角樽を届けた
さらに、
親分さん、扇屋のお嬢さんが、あなたに惚れて嫁にして欲しいと言ってます
ばかな、そんなことあるわけないだろう、こんな顔の男に
いや、男は心です、お嬢さんは親分さんの心に惚れたんですよ
本当なのか、間違いないのか
ええ、絶対に間違いありません、もし間違いだったら腹を斬りましょう
よし分かった、それならばこんな嬉しいことはない、藤助さん是非この話を進めてくれ
喧嘩屋五郎兵衛、思いもかけない出来事に、大いに喜ぶ
さっそく結納金三百両を用意し、一家の伊之助(まこと花形)に届けに行かせる
伊之助が先方を訪れ、
このたびは、おめでとうございます、これは喧嘩屋五郎兵衛親分からの結納金でございます
伊之助を見たお嬢さん(かな)は、あらおかしいわ、あなたが喧嘩屋五郎兵衛親分でしょう
ええっ、私は喧嘩屋の子分の伊之助ですよ
そんな、私が惚れたのはあなたよ、私と一緒になって
何を言ってるんです、喧嘩屋五郎兵衛親分と結婚してください、そうでないと困ります
嫌よ、好きでもない人と一緒になるくらいなら死んでやる
扇屋の娘が見染めたのは、喧嘩屋五郎兵衛でなく子分の伊之助であった
女中(真緒)の勘違いでこのような顛末になったのだが、この些細な勘違いが、後にとんでもない悲劇を生むことになる・・・

朝日奈(かずま座長)

<感想>
これは、かなり良い芝居だった
心座長熱演で、五郎兵衛の心情の変化を上手に演じていた
私は観劇してて、心座長お見事、見事なり春陽座と、何度も心の中でつぶやいた
この芝居のコメディーリリーフでもある八百屋の藤助を演じた新吾責任者、この人も上手いねえ
深刻な芝居をあれだけ上手に演じる新吾責任者は、笑わせるのも上手かった
私は、芝居を見てあまり笑わない質が、けっこう笑えた

この芝居は以前、筑紫桃太郎一座と花の三兄弟で見たことがあった
主役の玄海花道花形が、小林劇団の故小林正利花形に教えてもらったという喧嘩屋五郎兵衛
あのときも1時間30分の特別狂言でかなり良い芝居であった
今回の春陽座版とどちらが良いかは、甲乙つけがたい、どちらも良かった
細かく言えば、終幕の前までは春陽座の方が完璧に良かったが、終幕だけは花の三兄弟の方が良かった

比較して考えてみたい
設定が少し違ってる
伊之助が、花の三兄弟版では、色男だが腕も度胸もない三下奴という設定だったが、
春陽座版では、元は岡崎の武士で北辰一刀流の使い手、一家の中では一目置かれる存在という違いがあった
喧嘩屋五郎兵衛と伊之助とを勘違いしたのは、花の三兄弟版では、お嬢さん本人だったが、
春陽座版では、お嬢さんと一緒にいた女中となっていた
だから、三兄弟版では、お嬢さんは随分身勝手な印象だったが、春陽座版ではお嬢さんには落ち度がないという設定
三兄弟版では、お嬢さんと伊之助は何の関係もないが、春陽座版では、結納を届けに行った後、二人は肉体関係を結び恋愛関係となる
だから、伊之助は喧嘩屋五郎兵衛親分に対し、渡世の道で不義理をしたこととなる
これらの設定の違いから、終幕の結末が若干異なってくる
三兄弟版は、喧嘩屋が大量の酒に酔い持って行き場のない怒りを、何の落ち度もない伊之助にぶつけ1対1で勝負し、
親分に逆らえない伊之助は結局自刃し、喧嘩屋も自ら果てるが、そこには狂気と独特の美学があった
春陽座版では、伊之助は許せないと、喧嘩屋は子分を引き連れて伊之助とお嬢さんに対峙する
最初にお嬢さんを斬り殺し、伊之助は女を斬ったなと本気を出す、伊之助は喧嘩屋より強い設定なので、
喧嘩屋は苦戦するが肉を斬らせて骨を絶つで伊之助を斬り殺し、喧嘩屋も自らも果てる
三兄弟版が、顔は醜くても、一対一で対峙し、いわば男前な喧嘩屋五郎兵衛像だったのに対し、
春陽座版は、伊之助が強いから、二人を殺す理由があるからということで、子分を連れて3人がかりで対峙するという、少し嫌らしい喧嘩屋五郎兵衛像
ゆえに、後味の悪さが若干残る
どちらが良いということはない、どちらが好みということであろう
私は、結末に限っていえば、三兄弟版の喧嘩屋五郎兵衛像の方が好きだということだ
おそらく、三兄弟版の朝比奈が喧嘩屋の刃を潰し、三下奴の伊之助が自刃する方がオーソドックスな終演だろう
だが、春陽座版も悪くはない
今回、桜見物の場から丁寧に描かれた春陽座の芝居は、唸るばかりだった
最後の五場だけ、若干私の好みではなかったということだ
それにしても、かなり良い芝居であった

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芝居終演後の、かずま座長口上挨拶

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コメント
この記事へのコメント
本当に
お芝居いいでしょう~

他の劇団も観ましたが
最終的には、好みですが、私は
春陽座版が好きです

もともと喧嘩屋のお芝居はあまり好きじゃないので
喧嘩屋の気持ちをあそこまで丁寧に描く春陽座に
拍手です

このお芝居を演劇友達さんと話し始めると
「そもそも男の価値は顔なのか?」って言うところから始まり
尽きることのない論議になって行きます。

男性と女性の感じ方の違いもあるかしら?

2015/03/23(月) 02:52 | URL | お富 #-[ 編集]
お富さん
春陽座の芝居は、いいですねえ
あとから考えれば、台本が緻密です
序盤の台詞の言い回しが、あとで重要になったり
結末が取ってつけたようにならず、自然なんですよね
理論的に芝居が進むとでもいうか
芝居の構成もいいですし、
今回の喧嘩屋は、心座長の力もあったと思うのです
喧嘩屋は何も悪くない、落ち度があるのに失礼な態度の八百屋に対し、怒ってどなり散らしたくなるところを、ぐっと我慢して、メンツを立てるために、形だけでも祝言をさせてくれ
と言うシーンとか、本当にうまいなあと思いました
私も拍手ですねww

男の価値は顔なのか?の議論は面白いですねww
男と女の感じ方は、やはり違うと思いますね
2015/03/23(月) 23:34 | URL | 山口ジジイ #-[ 編集]
心様の五郎兵衛…観たかったです~(。>д<)
残念で残念で…(╥Д╥ )
山口サンのわかりやすく書いてくださったあらすじを観て心様の五郎兵衛を想像してみました(>_<)
あらすじありがとうございますね♪
今回は早めに決めてた遠征とカブッてしまったので仕方がないですが…またいつかどこかで観れたらいいな…(TT)
2015/03/24(火) 01:14 | URL | JEWEL #w4Ib0zSU[ 編集]
JEWEL さん
心様の五郎兵衛、良かったですよ
いずれ、観れる機会もあるでしょう
早く、春陽座が帰ってくるのを待ちましょう
9年後とかだと、つらいですねえ
来月は、朝日劇場だそうですね
2015/03/26(木) 20:58 | URL | 山口ジジイ #-[ 編集]
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