元失業者の現在労働者 健康で文化的な最低限度の生活をめざす劣等社会人のブログ 世の中厳しいですが、がんばりましょう 大衆演劇と競輪初心者です
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この日私は、小林劇団の芝居、恋の花かんざしも大ネタだから行きたい気持ちはあったのだが、結局劇団澤村へ
私の好きな、遊侠三代の悲劇だったからである、この芝居は観ときたかった
と言いながらも、正直言うと半信半疑であった
澤村劇団初日の三人出世がいま一つだったからである
観終えた感想を結論から言えば、これはかなり良い芝居であった

第二部 特選狂言 遊侠三代

<あらすじ>
茶屋で休む川北長治親分(天海翼花形)は、幼くして別れた兄の夢をみていた
親分を探しに来た、子分の長吉(澤村一也)と政吉(天海翔)に起こされる
茶屋で握り飯を食ってると、乞食(澤村ゆき)が現れ長治親分の財布を盗む
それを見つけた政吉が、乞食を折檻しようとすると、長治親分は止めに入り盗んだ訳を聞く
乞食は、私にとっての命の恩人、飢えてる非人たちのために盗みを働いたという
そうだったのか、と長治は言い、乞食に財布と握り飯を与え優しさをみせる
そして長治は乞食に、
俺は幼いころ別れた兄を探している、津軽訛りで年の頃なら32・3の男を知らないか
いやあ、知りません
非人の人たちと一緒に探してもらえないだろうか、礼はする、もし何か分かったら俺の一家まで知らせてほしい
そう言って長治は、一家に帰って行った
入れ替わるように、三つの影が現れる
川北長治を敵視する川向うの親分(澤村輝人)が、人斬り(澤村謙之介座長)に金を渡し、長治殺しを依頼
人斬りは金を受け取り川北長治の一家に行く
対応に出たのは、子分の長吉
金で雇われ川北長治を殺しに来た、長治を出せい
何を言やがるんでいと、長吉は匕首を手に、人斬りにかかって行くが、手もなく捻られる
人斬りは、峠で待ってるから、川北長治に支度をして来いと伝えておけ
長吉は、親分の替わりに自分が峠に行くことを決意
政吉にそのことを伝えると、長治親分に聞かれてしまった
長治親分は、長吉行っちゃならねえ、と長吉宛てに故郷から届いた手紙を取り出し、
長吉、おめえは、すぐに実家にけえってやんな、やくざの足を洗って堅気になれ、おっ母さんに親孝行してやるんだ
思案に暮れる長吉だったが、隙を見て長治親分に、あて身を食らわせ気絶させる
長吉は、長治親分の命に背いてまでも、親分の身代りになる覚悟
頬かむりをし長治親分になり済まし長脇差を腰に、人斬りの待つ峠へ向かうのだが・・・

<感想>
劇団澤村のこの芝居は、実は微妙な作品であった
序盤中盤は、あまり良くなかった
だが終盤は素晴らしかった、私は終幕の愁嘆場で涙したのである
この一事をもって、かなり良い芝居であったと評価したい
やはり、観客に実際に涙を流させる、体に変化を起こさせる芝居というのは、凄いことだと思う
悲劇人情芝居を観て、眼がうるうるして瞼で涙をこらえるのと、我慢しきれず涙を流すのとでは、川の向こう側とこちら側くらい違うのではないだろうか

主役を演じた翼花形は、14歳にしては口跡もいいし、芝居もできると思う、今回確認できた
初日の三人出世の友やんのような、前半笑わせて後半泣かせるような難しい役よりも、今回の川北長次のような一本義の役の方が出来が良かったのは間違いない
だが、やはり14歳なので、25歳の川北長次を演ずるのには、どうしても無理がある
劇団澤村の中でも、一番小柄で一番若い役者なので、伯父さんである澤村一也を子分にしてる姿は、正直言って滑稽にすら見える
序盤の乞食に対し、兄との別れを言って聞かせる長セリフも、14歳なのでどうしても言葉に力強さがなく、私は少々退屈なくらいだった
はっきり言って、この日観劇に来たの失敗したかなと思ったくらいだ
ところがである、終盤の愁嘆場が良かった、出色の出来だ
演出の勝利である
川北長次は、翼花形に合わせたのか、あまり強くない男の設定にしてた
終盤の、兄を演ずる健之介座長と翼花形との立ち回りは、まさに大人と子供くらい段違いに兄の方が強かった
翼花形が長脇差でかかっていっても、健之介座長に手首を掴まれ、動けなくなるほど、腕が段違いなのだ
以前記事にしたが、昨年12月に観たスーパー兄弟版遊侠三代は、川北長次(龍美麗)と兄(南條影虎)が、互角に近い強さの設定だったから、
川北長次が、油断があったとはいえ子分の長吉に、一撃で気絶させられる川北長次に違和感があった
子分長吉は兄に手もなく捻られる、川北長次は子分長吉に一撃で気絶させられる
つまり、兄>子分長吉>川北長次 の強さの関係なのに、終幕の兄VS川北長次になると、兄=川北長次になっており、私は非常に違和感があったのだ
今回の劇団澤村の遊侠三代は、あまり強くない川北長次の設定なので、違和感はなかった
すなわち納得がいく設定なのである

演出で言えば、例えば終幕の雪ひとつにしても、完璧だった
終幕の峠の場
幕が開くと、すでにけっこうな量の雪が積もっている
子分の長吉VS兄の殺陣、川北長次VS兄の殺陣、長吉の死、兄の死、川北長次が長吉を抱きかかえる、川北長次が兄を抱きかかえる
遊侠三代の終幕は、殺陣や感情の起伏で、山場がいくつもあるのだが、その都度、雪の量を増やしたり減らしたりといった演出が完璧で、観てる者の気持ちを盛り上げる
最終盤の川北長次は、傘にたっぷり雪をため込み、花道へ引っ込む場面で傘を広げると、花吹雪が舞い上がり川北長次に降り注ぐ
これも、、川北長次の悲しい気持ちを倍加させる素晴らしい演出だ
また、愁嘆場がしつこいくらい長い、そろそろ終わりかなと思えば、また違う手法で泣かせの芝居がくるといった具合
これは、春陽座で行われてる手法に似ている
私は先月松山劇場で公演した春陽座に心酔したが、春陽座の人情芝居あるいは悲劇で繰り返されたのが、何度も繰り返されるしつこいくどい演出で、そこが素晴らしかった
春陽座にとって劇団澤村は、本家筋にあたるので、似ていて当たり前かもしれない
まあ、とにかく終幕の演出が素晴らしかったのである

星四つ☆☆☆☆★

繰り返すが、翼花形は14歳にしては、口跡もいいし、芝居もうまい、だが25歳の川北長次の役は無理がある
例えば、劇団輝の次男坊龍大14歳だって、川北長次の役はさせないだろう、まあ長男の大虎にはさせるかもしれないが
劇団澤村、澤村謙之介座長は、あえて翼花形に無理のある役をやらせているのだと思う
長期スパンで考えて、戦略として今あえて難しい役をさせている
その方が、成長が早いからだ
まあ、損して得取れなのだろう
翼花形は、今月18日に若座長に昇進する
まあ、地元愛媛で昇進させたいというのもあるだろうし、双子の弟の翔を花形につけたいからというのもあるだろう
今は二人とも、14歳で無理があるが、5年後には、いい役者に成長しそうな予感
芝居の演出の良い劇団澤村なら、5年後成長した二枚看板で、すごい芝居を行ってるかもしれない
ところで、翼花形はひょろっとした長男、翔はがっちりした次男
私が知ってる似た関係で、筑紫桃太郎一座と花の三兄弟の筑紫桃之介座長と博多家桃太郎弟座長が思い起こされる
末弟の玄海花道を含めて、タイプの違う兄弟が、それぞれに適した芝居の主役を、日替わりで務めている
劇団澤村の翼&翔兄弟も、それぞれの特徴を生かした芝居に主演するという、公演形態になるかもしれませんな
まあ、14歳だから体つきがどう変化するかは、今の時点では分からないけれど
私が幕の外から観たところ、そんな気がするのです

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芝居終演後の、健之介座長口上挨拶
芝居の今後の予定が発表されていた
掲示されてないが、里見要次郎会長が、19日にゲスト予定だそうだ
今月は、珍しくゲストが多い、しかも関西の組合の大物である
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前に、「大和一也の左側の花、澤村みずほは、大和みずほの間違いかもしれない」、と記事にしたが
当たってたみたいで、訂正されていた
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