元失業者の現在労働者 健康で文化的な最低限度の生活をめざす劣等社会人のブログ 世の中厳しいですが、がんばりましょう 大衆演劇と競輪初心者です

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今月も早いもので10日を過ぎ、日本のあちらこちらで公演してる各劇団も、序盤戦を終え中盤戦に入った
ここ松山においても、小林劇団が梅川忠兵衛、劇団澤村がやくざ忠臣蔵と、土曜日ということもあり大ネタの勝負狂言となっていた
さて、私はどちらの芝居も観たことがなく、しかもどちらも一度観たいと思ってた芝居だったので、かなり迷ったのだが、小林劇団の梅川忠兵衛に行ってきた
梅川忠兵衛は、大衆演劇界ではかなりの人気で各劇団必ず月に一度はする演目なのだが、ただしこれはラストショウの話
存外、芝居で梅川忠兵衛を演ずる劇団が少なく、いつか観てみたいと思っていた
また、私が1月大阪松竹座で観た歌舞伎の公演が封印切で、つまり梅川忠兵衛の中の段だった
大衆演劇ならば、通し狂言で行うので、最後まで見れるだろうというのもあった
小林真座長が言う、小林版梅川忠兵衛とは、果たしてどういうものだったのか
1時間15分の芝居、熱演であった

第一部 芝居 小林版梅川忠兵衛

<あらすじ>
飛脚業亀屋の手代忠兵衛(真座長)は懸命に働き、亀屋の女主人(真弓リーダー)からの信頼も厚く、近い将来亀屋の一人娘たえ(寿子)の婿養子となり、亀屋を継げる立場になってた
ところが、忠兵衛は花街の井筒屋の遊女梅川(長女真佐美)に入れあげていた
二人は互いに愛しあっており、忠兵衛はお嬢さんとの婿養子の話を先延ばししていた
ある日、江戸の大店丹波屋の若旦那(隆次郎総責任者)が、二百両もの大金で遊女梅川を身請けしようとする
梅川は絶対に嫌だと言い、忠兵衛も梅川と別れることができない
思いあまった忠兵衛は丹波屋から預ってる二百両の金を店から持ち出し、井筒屋に行き封印を切ってしまう
飛脚業において、預かった金の封印を切る行為は、横領を意味し重い罪に問われる
もう止まらない忠兵衛は、その金で梅川を身請けできたものの、同時に役人から追われる身となる
その事実を梅川は知るが、ひとときも離れたくない忠兵衛様についていきます、と健気にも言う
二人は雪のちらつく中、肩を寄せ合い忠兵衛の生れ故郷の新口村へと向かうが、それは死へと向かう旅であった・・・
忠兵衛の父-(直行副座長)

<感想>
小林劇団は、重たいやくざものが多い印象だが、今回のような商人の芝居もいけますな
真座長の業の深い忠兵衛の演技も良かったが、長女真佐美の遊女梅川がかなり良かった
普段は、二の線の渡世人が多い印象だし、女形でも山をあげてたはずだが、
今回は、押さえた演技で、健気な梅川を好演
失礼ながら、意外な演技であまりにいいんで、私は吃驚したくらい
20歳そこそこでも、流石プロの女優、小林劇団の3枚看板を張るだけあります
直行副座長も、この日は忠兵衛の父親、すなわちお爺さん役を好演、副座長はいろんな役を演じるから大変だと思う

あとの口上で、真座長が言ってたが、小林版梅川忠兵衛は、真座長のお爺さんが作った芝居だそうだ
お爺さんとは、小林劇団初代座長であり、真弓リーダーのお父さんの初代小林隆次郎さんのことだと思う
当時は歌舞伎の演目をそのまま演ずることができなかったそうで、大きく改作する必要があったのだそうだ
さて、それではどのように変えているのか
私は、歌舞伎に詳しくないが、たまたま1月に大阪松竹座で(恋飛脚大和往来)封印切を観たのでその違いを考えてみる
まず、歌舞伎版の梅川忠兵衛は、上の段、中の段、下の段と3つに分かれていて、封印切は中の段にあたる
花街の井筒屋での出来事で、忠兵衛が封印切をし梅川を身請けするまで、この芝居だけで1時間20分だった
おそらく最初から最後まで通し狂言で演ずれば、4時間とかあるいはもっと時間はかかるだろう
大衆演劇は最後まで演ずるものだから、初代小林隆次郎は、時間の短縮を考えたはずであり、
また、誰にでも分かりやすくという意味で、設定を単純化したと思われる
歌舞伎版と小林版の設定の違いは、
例えば忠兵衛は、歌舞伎版では飛脚業亀屋に幼いころ養子に貰われてきて、亡くなった主人の娘の婿となり、
亀屋の主人という設定、しかも主人でありながら、実権は養母が握ってるので店の金は自由にはできない
一方、丹波屋の主人は、本当の大金持ちで、忠兵衛の友人でありライバルでもある
小林版では、忠兵衛は亀屋の手代
手代とは、商家に小僧さんが入り、最初でっちどんで働きながら手習いそろばんなどを習得した末に手代に昇進、さらに精進し働きが認められると番頭へと出世するのである
ちなみに、すごろくのあがりで言えば、番頭の中から特に目をかけられた者の中から、主人が暖簾分けしてくれ自ら店を持ったり、小林版忠兵衛のように、娘の婿に迎え店の主人となる人もいただろう
余談が多くなったが、手代とは会社で言えば、主任とか課長クラスといったところじゃないかと思う
整理すれば、歌舞伎版での忠兵衛は小金持ちで、丹波屋は大金持ち、友人でありライバルであるというやや複雑な設定
小林版の忠兵衛は飛脚屋のただの手代つまり労働者、片や丹波屋は江戸から来たいわば異邦人で大金持ちの若旦那
小林版の方が、どっちが金持ちかひと目で分かる
また、歌舞伎版では、忠兵衛は最初50両を丹波屋から横領するが、これは許してもらえ、あとで300両の武家の公金を横領し、罪に問われる
小林版では、武家でなく丹波屋の金200両であるから分かりやすい、登場人物も少なくてすむ
さらには、歌舞伎版では横領した忠兵衛を追うのは飛脚業組合で、小林版では南町奉行所の役人となっており、これも分かりやすい
大きく異なるのは、終幕の新口村の場だが、小林版は大衆演劇的な悲劇的シーンで終演となっている
歌舞伎には歌舞伎の、大衆演劇には大衆演劇の演出があり、上記のような改作となったのだと思った

あと思ったのは、今回もそうだが小林劇団の芝居は、かなりな悲劇的最後が多い
初代からの伝統なのだろうが、私は悲劇好きなので、小林劇団の芝居は性に合うねえ

さてさて、今回の芝居はアドリブも少なく、かなり良かったのであった
星四つ☆☆☆☆★

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芝居終演後の真座長口上挨拶
本日昼の部の大入りで20枚です
終幕の大道具は、劇団が作ったとのこと
亡くなった祖母が夢枕に出てきて、母恋吹雪をやりなさいと言ったので、久しぶりにやります
大道具を作ったり、稽古が必要なので、15日以降になるとのこと

大道具を作ってまで、観客を喜ばそうという小林劇団の姿勢には頭が下がる
すごい

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奥道後劇場のイベント日が出てた
ほんと、最近のイベント日の数が凄いですなあ
肉の日は、初めてみたが、劇団主宰のよう
前に冗談で言ってたのを有言実行するようだ、直行副座長えらい
12日以降の芝居の外題は不明である

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