元失業者の現在労働者 健康で文化的な最低限度の生活をめざす劣等社会人のブログ 世の中厳しいですが、がんばりましょう 大衆演劇と競輪初心者です

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先日、七人の侍を映画館で観た
午前十時の映画祭7というのがあり、これは全国的な企画であり、名画座ではなく、ロードショウをしてる映画館で古い映画を上映している
七人の侍は、黒澤明の代表作というだけでなく、日本映画の代表作といっても過言ではないだろう
外国での評価も高く、荒野の七人を始めとする真似した作品も多く存在し、直近では名優デンゼルワシントンが主演のマグニフィセント・セブンも、七人の侍のいわば孫のような作品だそうだ
七人の侍を私は10回以上拝見しているが、やはり映画館で観るのは良い
真っ暗な館内の大きな画面、やはり迫力があるし、集中できる
家のテレビだと、どうしてもテレビの横にある本棚とか机に置いた湯のみとかが目に入り、気が散るからねえ

私の七人の侍との最初の出会いは、小学生ころの日曜洋画劇場、テレビで2週に分けて放映されていた
昼間のテレビで拝見したが、当時の愛媛は朝日系の放送局がなく、南海放送かテレビ愛媛での遅れ放送だったのだろう
小学生なので良く分からなかったが、異様な迫力があったのは覚えている
そして、宮口精二演ずる、一番強い侍の久蔵を好きになった
リーダー勘兵衛はスカウトする際、「己をたたき上げる、ただそれだけに凝り固まった奴」と、副将五郎兵衛に語る
確かに久蔵は強さを追求しニヒルで無愛想だが、集団の中で危険を顧みぬ自己犠牲の精神を持ち、また優しい心根を兼ね備えており硬派で魅力的な人物である

私の二度目の七人の侍の出会いは20歳ころ、池袋の旧文芸坐での黒澤明特集のラスト
黒澤作品2本立てで20本ほどを1カ月近くに渡って上映したのを全部観て、会員限定の招待券が贈られてきて、文芸坐ル・ピリエで観た
ル・ピリエは文芸坐の地下に位置し、普段はアングラ芝居などを公演してた小さな劇場
招待券なので無料なれど、他の黒澤作品は地上の文芸坐の当時日本一の大きさといわれた巨大なスクリーンで観れたのに比べると何十分の一かというほど小さなスクリーンに、いわゆる雨みたいなものが断続的に降る汚い画面、切れ切れで繋いだ画像はとても見にくかった
だが当時は黒澤作品のビデオも出てなかった時代だったので、大変貴重だった
そして、評論家の佐藤忠雄氏の上映前の解説が1時間くらいあったのは、今から思えば本当に良かったことだ

七人の侍は、当初黒澤が企画したものではなかった
当初黒澤は、ある平凡な侍の一日をリアルに撮る映画を企画してた
平凡な侍が平凡な一日を送るのだが、ある失敗をし、それが原因で切腹することになる不条理を描きたかったそうだ
ところが、資料を調べても、普段普通の侍がどうやって登城し、昼飯はどんなものだったのか、分からなかった
リアルな描写が必要なこの映画では、この不明さは致命的で、この企画はとん挫する
あきらめた黒澤は、次に剣豪列伝を作ろうかとなったが、資料はあるのだがこれも映画にするにはいまいち
そのうち、資料を調べていた脚本家の橋本忍が、百姓が侍を雇い野武士から村を守ったという記述を見つけ、報告する
黒澤は、それは面白いじゃないか、と乗り気となり一気に膨らませ、七人の侍ができた
渡世人は、地域地域の一家に草鞋を脱ぎ、男修行をした
侍はどうかというと、道場から道場を渡りながら、剣の修行をした
道場は修行を終えた若侍に、一日分の食糧を渡して送り出したそうだ
だが、歩いても歩いても近くに道場がない地域もある、その場合、寺に泊めてもらい食いつないだ
寺のない地域もある、そこでは、夜盗に悩まされる村が若侍を雇ったという
若侍は寝ずの警備をし、その対価として少量の食糧を得、旅を続けたという
七人の侍は、その記述を膨らませ、さらに、没原稿となった剣豪列伝から、上泉信綱や塚原卜伝、宮本武蔵といったキャラを七人に割り当て、個性豊かな集団とした
七人の侍を面白くした一つの要素として、一番強そうな三船を菊千代という一番弱い侍役にし、一番弱そうな宮口精二を一番強い久蔵にした、配役の妙だ

私の記憶をたどると、そんな講演内容だった
この時の上映を観て、好きになったのはリーダー勘兵衛である
経験を重ねた洞察力と知恵、慈愛に満ちた人柄、圧倒的な統率力
負け戦にばかりに参戦して、城持ちにはなれなかったが、とても魅力的な人物である

そして、ビデオが出て、NHKBSなどでも不定期的に放映されるようになり、私は10回くらい観たわけだが、
だんだん菊千代が好きになってきた
侍の○と百姓のた、の中間の△である菊千代、戦乱が生んだ孤児が生きるために喰い物を求め成長した
菊千代は、百姓のずるさを語りそんな化け物を作ったのは侍じゃないか、と絶叫する
菊千代を好きになったというのは私も年をとり、そういう底辺の気持ちを分かってきたということなのだろう
今回の上映を観ても、菊千代が物語の要、百姓と侍をつなぐ重要な人物というのが分かる

久蔵→勘兵衛→菊千代、と私の興味は変遷するが、子供が憧れる強い男、大人になり始め強いリーダーになりたい、おっさんとなり人生というのは成功者だけではない、埋もれた人間にも人生ってあるのさ、といった感じで私の成長でもあるのだ
ネットを観てると、午前十時の映画祭7の記念講演があり、映画評論家の町山智弘と時代劇研究家の春日太一の講演があった
興味深かったのは、菊千代というのは、最後にできたキャラクターだったとのこと
最初、三船は一番強い久蔵を演じる予定だったが、侍と百姓ががっちりスクラムを組むのがどうしても上手くいかず不自然で、侍と百姓を繋ぐ菊千代をあとから作った
これで脚本が上手くいき、当初の予定を変更し三船を菊千代に割り当てた
佐藤忠雄の話と、だいぶニュアンスが異なり、春日太一の方が得心がゆく

興味ある人は、こちらの画像をクリックください
            ↓

町山智浩氏が語る20世紀名作映画講座「七人の侍」(前編)


町山智浩が語る20世紀名作映画講座「七人の侍」(後編)


今回の上映では、仲代達也も講演している
当時新人の仲代は、七人の侍に3秒くらい出演している
黒澤が仲代のぎょろっとした目を、見染めたものだが
ただの通行人の侍役、出演は3秒くらいだが、黒澤から歩き方がなってないと駄目だしを喰らい、仲代は1日かけて侍の歩き方の稽古をさせられたそうだ
だが、黒澤の役者を見抜く力は確かで、のちに三船の相手役を務め、後年の黒澤作品で仲代は、主役を務めるのであった
影武者は勝新太郎の代役だったが、黒澤本命作品の乱では最初から主役に配されていた


午前十時の映画祭7 「七人の侍」4Kデジタルリマスター版上映記念トークショー

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コメント
この記事へのコメント
超世界的に有名な映画:「七人の侍」
「七人の侍」昭和29年公開された黒澤明監督、三船敏郎と志村喬が主演の超世界的に有名な映画。実は観た事が無いんですよね?だから1級建築施工管理技士の2次試験が何度も駄目で不合格なのかなぁー?建築士の山さん?
2016/10/28(金) 22:13 | URL | 智太郎 #Cv7CRq2s[ 編集]
智太郎さん
まだ見てないのなら、
是非観てください
そして、ブログに感想記事をアップ願います
2016/11/06(日) 03:07 | URL | 山口ジジイ #-[ 編集]
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